―合気について―

第2回

1.基本
古来より武道に限らず流派と言うものは、歴史を重ねる毎に分かれてきました。大東流合気柔術も然り、武田惣角先生がその技を全国に伝えられて以来多くの流派が派生し、今もなおその流れは変わりません。

その中で大切なのは、技の本質を決して失わない事です。

心技清榮館は武田惣角先生の高弟であられた永世名人・堀川幸道先生の流れを汲みます。本当の合気を掴む道は長く険しいもの。まず基本を正しく身に付ける事が、合気柔術への第一歩と言えるでしょう。

心技清榮館では、まず柔術から徹底して稽古します。その中で、力の使い方、捌き、関節技、受け身の本当の意味などを学ぶのです。仮に合気だけを身に付けたとしても…(実際には身に付きません)それに伴う柔術(空手、柔道など他の体術を含む)がなければ、実戦では無力と言っても過言ではありません。

2.合気上げと手上げ
合気上げはその名の通りの合気ではありません、手上げが昔から合気と言われ続けてきたのです。当道場では、本当の合気上げも、手上げも、どちらも相手が浮き上がり、あるいは仰け反ります。一見すると同じ技のように思えますが、原理や効果は大きく異なります。

合気上げの解釈は、流派により様々ですが、心技清榮館における合気とは、前述した通り“正(プラス)の合気”、つまりあくまで相手の力で、相手を制する事です。柔術では自分の筋力・タイミング・物理的なスピード等が主に重視されるのですが、合気はそれらをほんの少しだけ使う使い方が異なるのです。

3.基本から本質へ
柔術を修める過程で、少しずつ合気を学び、合気を学びながら柔術を修めます。合気が理解できるようになると、これまで自力で行ってきた技が、ふと相手の力で行えるようになります……が、常に進化し続けなければ合気の技は薄れてゆくでしょう。

合気の本質に触れたとき、きっと自身の世界が大きく変わります。当然この領域に辿りつくには、真剣に正しい稽古を続ける他ありません。

つづく

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