-合気について―
第8回
“文化について”
「静」であるか、「動」であるか、あるいはどちらの要素も含まれているか、文化とは様々である。建築・彫刻・絵画等は「静」の文化であり、素晴らしい絵画や彫刻は高く評価されている。また、食や音楽は「静」を「動」にする文化と言えよう。肉・魚・野菜を火や水を使って料理すると、色・形・香・味が変わり、栄養価まで変化する。一つの音階は止まって聞こえるが、いくつもの音階を繋げるとメロディーとなって耳を楽しませてくれる。
スポーツや武道・武術は「動」の文化であろう。スポーツ選手もオリンピック等、色々な大会で優勝すると、表彰されたり、選手が身に付けているものにまで値が付く。しかし、真の武術は値の付けようがない、なぜなら習う人それぞれの価値観が異なるからである。
武田惣角先生から堀川幸道先生に伝授された殿中技や合気柔術は極めて卓越した「動」の文化なので、何とかこの日本に伝え残さなければと思い日夜努力を続けている。大東流という動の文化だからこそ、伝えることが難しく、大変な仕事なのであろう。
私に残された時間も、あと僅かであり、歴史上から見れば一瞬の事。
この大切な一瞬を受け継いでみませんか、滅び去ろうとしている大切な日本の大東流という文化を、自分の手で守りたいと思いませんか。
つづく